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「野外にこだわった進化群集生態学

~ゲノミクス・操作実験・フィールドワーク、いろいろやってきた総括と展望~」

内海 俊介 博士(北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター)

Abstract 

  これまで、野外の多様な生物間相互作用に興味を持ち生態学研究を進めてきた。その中で私は、意識的にせよ無意識的にせよ、一貫して生物の個体間変異(種内変異)に注目し、野外における高次の現象との関わりのなかでその隠れされた意義を解き明かすという研究の方向性を持ってきた。その結果として、ここしばらくは「進化と群集の相互連関」という枠組みを軸とするようになっている。

  大学院入学当初は、テントウムシを5万匹数えたという指導教員のもとで、なんとなく虫の数を数えることから始まり、研究の「け」の字もわからないまま右往左往だった。それから年月が過ぎ、数多くの失敗を繰り返し、今では研究室の学生たちと力を合わせながら、かつてはまったく想像すらしていなかったことが明らかになりつつある。本セミナーではその軌跡を論じながら総括し、今後の新展開を考えてみたい。

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