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「シジュウカラの音声言語:単語・文法の起源を求めて」

 

鈴木俊貴(京都大学生態学研究センター)

Abstract 

  ダーウィン以来長年にわたって,言語はヒトに1度だけ進化したと考えられてきました。もちろん他の多くの動物も求愛や警告のために様々な鳴き声を発しますが,これらは単なる感情表現にすぎず,単語を用いてモノを指し示す能力や文法を用いて複雑なメッセージを構成する能力に欠けると考えられてきたのです。それに対して私は,シジュウカラ科鳥類が,特異な鳴き声を用いて捕食者の種類を示したり,異なる鳴き声を一定の語順に組み合わせてより複雑な情報を伝えたりしていることを発見しました。音声の受信者は決して機械的に反応しているわけではなく,鳴き声の指示対象をイメージしたり,音列に文法のルールを当てはめたりすることで情報を解読していることも明らかになりました。本講演では,これらの研究を例に,野外観察や野外実験から鳥たちの高度なコミュニケーション能力にどのように迫れるのかをご紹介したいと思います。

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