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「A noisy spring~人為的騒音が生物に与える影響を考える」
先崎理之(国立環境研究所・学振SPD)
Abstract
自動車、電車、飛行機―人類の技術革新の賜物に常に付きまとうものに騒音がある。日常生活において、我々が騒音に悩まされる機会は多い。そのため、騒音が人間に与える影響については比較的よく知られている。例えば、欧州では、毎年20万人が騒音起源の疾患により死亡している。一方で、野生生物にとって騒音は有害なのだろうか?もしそうであれば、騒音は野生生物にどのような影響を与えているのだろうか?
本セミナーでは、まず騒音が特に陸生生物与える影響に関する現在の知見と未解明の課題を簡単に整理する。続いて、私がこれまで行ってきた実証研究をふたつ紹介する(未発表含む)。具体的には、自動車騒音が野生のフクロウ類の採食効率に与える影響を調べた研究 (Senzaki et al. 2016 Sci Rep)と、大陸スケールで人為的騒音が鳥類の繁殖活動にどの程度影響するのかを調べた研究(Senzaki et al. unpublished)を紹介する。最後に、この春から新たに実施している研究(自動車騒音がエゾアカガエル雌の走音性に与える影響・複数分類群を対象とした自動車騒音の大規模野外プレイバック実験)に関する話題を、苦労話も含めて簡単に提供したい。
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