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「野生動物管理のための社会科学ーヒグマ管理は何が問題なのか?」

久保雄広博士(国環研研究員) 


昨今、科学と政策の結びつきの強化が喫緊の課題となっている。野生動物管理の分野では、これまでの生態学をベースとした管理に人側の認識や行動を分析対象とした社会科学を統合することで、より効果的かつ持続的な管理の実施が期待されている。しかし、現場では研究者の関心と実務者のニーズ、社会の要求にズレが生じているが故に、科学と政策にはいまだ大きな開きがあると言わざるを得ない。セミナーでは北海道のヒグマ保護管理計画、知床のヒグマ保護管理方針の中身を紹介しながら北海道のヒグマ管理が直面している問題を指摘する。特に個体数モニタリングに狩猟者アンケートを利用することの危険性とヒグマを巡る多様な関係者の利害を調整することの必要性を述べる。また、演者自身が行っている社会科学的アプローチを用いた最近の研究を紹介するとともに、実際の政策立案への貢献について議論する。最後に演者自身がヒグマの生態学にも関わってきた経験に基づいて、本分野における生態学、社会科学の限界をフロアと共有することで今後の統合的アプローチに向けた議論を行いたいと考えている。

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